2012年12月18日

「失敗」を「自信の根」に ⑤

次に、「危なっかしさの中にこそ、自信型に育つ芽がひそんでいる」ことについてです。

自信を積み重ねるという点でいえば、「できる」から始まるのではなく、「できない」から始まること、「できない」ものが「できる」ようになることが重要です。

大人でもそうだと思いますが、最初から「できた」ものが、どれだけできても、そこまで自信にはなりません。最初は「できなかった」ものが「できる」ようになっていく。「できなかった自分」を克服して、「できる自分」を自らの手でつくっていく。「できない」という状態がスタートにあるからこそ、「やれば、できる」という自信を得ることができます。

そのためには、「できないけど、やりたい」という危なっかしい状態を尊重するしかありません。できなくても「やる」と決め、試行錯誤を繰り返しながら、自ら「できた」にもっていく。その過程を見守るしかありません。それには、やはり「自分のことは自分で決めていいんだよ」という子どもへの信頼が重要になってくると思います。


信頼と同じくらい、尊重も重要であるように思いように思います。

「できないけど、やりたい」という内面からの強い意志を尊重することは、とりわけ重要であるように思います。というのも、「やりたい」という強い意志がないかぎり、試行錯誤が続かないからです。

「できない」の中に「できた」を見つけていく作業は、楽しいものです。しかし、それは、辛いものでもあります。「できない」の時間が長くなれば、 途中で放り出すことだって、あります。

だからこそ、本人の「やりたい」を根におくことが大事になってきます。

「やりたい」気持ちが根っこにあれば、一度は放り出した課題に、再び挑戦し始める。そうして、達成した時、その苦労が多かった分だけ、「やれば、できる」という自信は深くなる。

そういう点でも、大人は見守るしかありません。本人の「やりたい」という意志が、本人の中で高まってくるのを待つしかありません。


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